E判・L判の由来

写真プリントのサイズには、E判・L判という呼び名があります。 E判の「E」は、一般に Economy の頭文字と説明されることもありますが、 実際にはどのような経緯で生まれた呼び名なのでしょうか。 ここでは、富士フイルムの社史に掲載されている記述をもとに、E判・L判の由来を見ていきます。

1950年代後半にカラープリントのサービスが始まり、当時のプリントサイズについて、 富士フイルムのウェブサイトでは次のように説明されています。

Aサイズ(ペーパーサイズ64mm×89mm)・Bサイズ(ペーパーサイズ89mm×89mm)・ Cサイズ(ペーパーサイズ69mm×89mm)の3種類の普及判サイズを定め、その後、 Dサイズ(ペーパーサイズ89mm×127mm、後にLサイズと改称)を追加した。

また、Eサイズについては次のように説明されています。

1960年代になると、新たにFサイズ(ペーパーサイズ76mm×106mm)が市場に登場したが、 その後、フジカラー販売は、76mm幅(Fサイズ)と89mm幅(Aサイズ)の中間の82.5mm幅の Eサイズ(ペーパーサイズ82.5mm×117mm)を提唱、積極的にその導入を進めた。 その結果、1970年ごろには、Eサイズが普及判サイズの主力サイズとなった。

Aサイズ、Bサイズ、Cサイズ、Dサイズ、Eサイズ、Fサイズの寸法関係を示した図
初期のA・B・C・Dサイズと、後に登場したEサイズ・Fサイズの寸法関係

この説明から、L判はもともとDサイズとして追加された 89mm×127mm のプリントサイズで、後にLサイズへ改称されたものと分かります。 また、E判は76mm幅と89mm幅の中間として提唱された82.5mm幅のペーパーによる 82.5mm×117mm のプリントサイズで、 E判の「E」は、Economyの頭文字というより、当時の写真プリントサイズ体系の中で使われたEサイズに由来すると考えられます。

プリントサイズの変遷

Aサイズ

寸法
64mm × 89mm
紙幅
89mm幅 ≒ 3.5インチ幅
概要
初期の普及判サイズのひとつ

Bサイズ

寸法
89mm × 89mm
紙幅
89mm幅 ≒ 3.5インチ幅
概要
初期の普及判サイズのひとつ

Cサイズ

寸法
69mm × 89mm
紙幅
89mm幅 ≒ 3.5インチ幅
概要
初期の普及判サイズのひとつ

Dサイズ 後のL判

寸法
89mm × 127mm
紙幅
89mm幅 ≒ 3.5インチ幅
概要
後にLサイズと改称

Eサイズ 1970年ごろ主力に

寸法
82.5mm × 117mm
紙幅
82.5mm幅 ≒ 3.25インチ幅
概要
76mm幅と89mm幅の中間となる82.5mm幅のペーパーを使ったサイズ。 1970年ごろ普及判の主力サイズになりました。

Fサイズ

寸法
76mm × 106mm
紙幅
76mm幅 ≒ 3インチ幅
概要
1960年代に市場に登場したサイズ

現在よく使われている写真プリントサイズも、Lサイズは約3.5×5インチ、 KGサイズは約4×6インチ、2Lサイズは約5×7インチ、 6Pサイズは約8×10インチ、4Pサイズは約10×12インチのように、 インチ由来と考えられる寸法になっています。

一方、E判は短辺の82.5mmが約3.25インチに相当するため、 紙幅についてはインチ由来と考えられますが、長辺の117mmは約4.61インチとなり、 きれいなインチ寸法ではありません。 82.5mm×117mmの縦横比は約1:1.418で、白銀比とされる1:√2(約1:1.414)に近いことから、 長辺については、インチ寸法そのものよりも、仕上がりの比率を考慮して決められた可能性があります。

その後、L判が一般的な写真プリントサイズとして広く普及したことにより、 E判は現在ではあまり見かけないサイズになりました。 DPE宅配便でも、現在E判サイズの写真プリントは取り扱っておりません。 E判・L判という呼び名には、日本のカラープリント普及期におけるサイズ整理の歴史と、 写真プリントの寸法に残るインチ系サイズの名残が見られます。

ご自宅で古い写真プリントを見かけたときは、寸法を測ってみると面白いかもしれません。

2026年07月09日 掲載

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